レイキと慢性ストレス

  

がんのまとめ

2018年11月28日

発がんメカニズムのまとめ

 私達の体では、毎日
   数十万個の遺伝子異常
   数千以上(数千から一万個)のがん細胞
 が発生していると考えられています。
 従って、私達はがん細胞の発生を恐れるのではなく、発生したがん細胞を抹殺する免疫力の低下を恐れるべきなのです。

 昔、私は、たまたまテレビを見ていたとき、非常にショックを受けた経験があります。
 慶応大学医学部の教授がテレビで
「たばこを毎日20本以上吸っていても肺がんにならない人がいれば、たばこを全く吸わなくとも肺がんになる人もいる。要するに、がんになるならないは運ですよ。ガハハハハ・・・。」
 と話すのを聞いたときです。
 四半世紀以上経ちますが、未だに耳にこびりついています。がんに対して、今でもこのような認識の人が多いのではないかと思います。

 しかし、がんになるのは、決して運や偶然ではありません。がんはなるべくしてなるのです。
 私達の体では、毎日、何千ものがん細胞が発生しているわけですから、がん細胞が、たまたま免疫力の弱い領域(血流障害)で発生すれば、そのがん細胞は生き残る可能性があります
 そして、その領域で血流障害が続けば、生き残ったがん細胞は増殖し続けます。
 また血流障害があると、その領域のミトコンドリアも不活性化する可能性があるので、がん細胞が多発する危険性があります。
 これががん発症のメカニズムであり、万病の発症メカニズムでもあります。
 世間では、抗酸化物質を充分摂れば、がんになりにくいという考え方があります。それを否定する気はありませんが、抗酸化物質の効果は、本質的に免疫力を高めることにあります。

防がんメカニズムのまとめ

 1.正常細胞に幾つかの遺伝子異常が生じると、疑似がん細胞になります
   しかし、疑似がん細胞ががん細胞になるには、細胞分裂をしなければなりません。
   (細胞分裂を経て、初めてがん細胞になります。)
 2.ただ、疑似がん細胞は異常細胞なので、通常、細胞分裂する前に自己崩壊(アポトーシス)します
 3.万一、がん細胞が発生しても、免疫細胞によってがん細胞は抹殺されます

 疑似がん細胞の発生は遺伝子異常の結果ですから、これはほぼ偶然の産物です。
 活性酸素やフリーラジカルをたくさん発生させる生活習慣の人は、疑似がん細胞になる確率が多少増える可能性があります。
 1.に関しては、世間で認識されている発がんのイメージ通りだろうと思います。
 ただ、正常細胞が疑似がん細胞になることと、2.と3.の障壁を通り抜けて臨床的ながんになることは、全く別次元の問題なのです。
 1.は不可抗力です。運次第と言うよりも、確率的に必ず生じます。
 従って、私達ががんになるのは、2.と3.の障壁の役割を果たしている免疫力に問題があるからです。
 2.の障壁は、ミトコンドリアが支えているといっても差し支えないでしょう。
 3.の障壁は、免疫細胞です。
 そして、がん細胞発生に対する2.と3.の障壁を低くするのが血流障害です。
 従いまして、私達ががんになるのは、遺伝子異常の結果ではなく(間接的には正しいのですが)、免疫力が長期的に低下しているからです。
 このことが世間で理解されていないので、悲劇が繰り返されているのです。

血流障害と免疫力の関係

 初めにお断りしますが、これまで使用してきた血流障害という言葉は、医学的な血流障害とは意味が異なります。
 ここで使用している血流障害の意味を、以下で説明します。

 血液は体内を循環していますが、その循環について考えてみます。
 体内血管の総容量に比べて、実際の血液量はその3分の1強程度です。
 言い換えますと、血管はスカスカなのです(実際には血管が収縮しているので、隙間はありません)。
 もし、血管が膨らむ余地もないほど血液で充満していれば、血液は循環できず、(酸素や栄養素などに満ちた)新しい血液が体内を巡ることが出来ません。
 循環できる程度の量(必要最小限の量)であるからこそ、血液は必要な所に集中的に送られ、さほど必要でない所には、血液は必要最小限の量しか送られないのです。
 その血流量の配分を決めているのが交感神経です。

 例えば、怒りの感情が渦巻いているときには、血液は脳に大量に送られます。その結果、内臓を廻る血液の量は、その分減少します。しかし、血流が少なくとも、内臓の細胞が困窮するわけではありません。
 しかし、怒りがずっと収まらない場合は、どうなるでしょうか。私達は食事をしなければなりません。
 食事をすると胃などが活発に働かなければなりません。消化器系で副交感神経が優位になるからです(交感神と異なり、副交感神経は個々の臓器に作用できます)。
 ところが、交感神経は過緊張状態のままなので、血流の多くが脳に行く状態は変わらず、消化器系には血液の増量がありません。
 そうすると、休息状態の細胞では足りていた血流(酸素・栄養素など)が、共同作業をする細胞では不足することになります(燃料不足)。

 実際、私達は、興奮しているときには食が進まず、おいしさを感じないはずです。体が食事を受け付けないのです。
 ところが体が鈍ると、このような状態でも食事が出来るようになります。これは、体の要求に反する行為なのです(感受性の低下)。
 慢性ストレスの場合、このような状態が続くことになります。
 そうすると、休息時に足りていた血流であっても、仕事をするときには不足するわけですから、仕事時には恒常的に血流不足(酸素・栄養素の不足)になり、その間、組織細胞は困窮することになります。
 このような状態が長期間続けば、やがて餓死(壊死)する細胞も出てくるでしょう。そのため、死んだ細胞の破片を消去するために炎症が発生します。この状態がさらに続けば、慢性炎症になります。
 また、血流が十分でないため、周辺の温度も低く、免疫力も低下しています。ちなみに、慢性炎症のことを冷たい炎症とも言います。
 この状態が、ここで使っている血流障害という言葉の意味です。現在の医学には、このような血流障害の概念・発想はないだろうと思います。

がん細胞周辺の血流について

 最初に出来たがん細胞は正常細胞が変化した物なので、血流の問題は生じません。
 共同作業する正常細胞にとって血流不足であっても、がん細胞は共同作業を拒否した一匹狼的な細胞なので、血流不足ではありません。
 むしろ血流不足の方ががん細胞には快適な環境なのです。十分な血流があればミトコンドリアも蘇り、免疫細胞も多数押し寄せてくるので、がん細胞にとっては悲惨な環境になります。
 実際、殆どの場合、途中で血流が改善されるので、増殖したがん細胞が消滅したり、増殖が止まります
 このことは、私達の内臓を調べれば分かります。
 私達の多くは、40歳以上になると、各臓器に多数のマイクロがんやミリがんが発生しています。これは、増殖の過程で血流が改善されたために増殖が止まったのか、あるいは血流障害の期間が長くないので、がん細胞の増殖と消滅が繰り返されているためではないかと考えられます。
 さて、血流が改善しない場合には、がん細胞はどんどん増殖しますが、そのままでは、増殖したがん細胞の周辺には末梢血管がないことになります。従って、がん細胞は、自分たちで血管をつくりながら増殖していきます。
 言い換えると、がん細胞の血管生成能力を無くせば、がん細胞は増殖できずに消滅することになります。
 1996年に、ブロッコリーにがん細胞の血管生成を阻止する植物栄養素(ファイトケミカル)が含まれていることが、米国の研究者達によって発見されました。新しいタイプの抗がん物質が見つかったのです。
 この発見に世界が沸き、その後数々の有用な植物栄養素が見出されてきました。
 私達は、現在、水面下で繰り広げられている植物栄養素発見の熾烈(しれつ)な競争のまっただ中にいるのです。
 従って、まもなく、薬やビタミン・ミネラルよりも植物栄養素という時代になるだろうと期待しています。

臓器の温度は一定ではない

 臓器は、活動しているときには流入する血流が増え、臓器温度が上がりますが、休息しているときには血流が下がり、臓器温度は下がります(臓器温度は臓器内を流れる血流量に依存します)。
 従って、血流を抑制されている臓器の温度は低く、その臓器の免疫力も低下します。
 ちなみに、がんを含め、臓器に異常のある場合、その臓器に手を近づけるとヒンヤリとした冷たさを感じます。
 酷い場合、近寄っただけで、こちらの体でその人の臓器異常の冷たさを感じることがあります。

体温が35度付近の人はがんになりやすい?

 体温が35度付近の人は、がんになりやすいと言われています。
 実際、がんの人の体温は、低いことが知られています。
 とはいえ、この説は間違いではないにせよ、いかにも後付けの軽い説という印象があります。
 体温が低ければ、免疫力が下がるので、がんになりやすいことは間違いありません。
 しかし、ヒトは昼と夜とで体温が異なります。
 日中、体温が36.5度ある人でも、明け方、最も体温が下がっているときには、35度弱になっています。
 理由は、多くの臓器が休息しているからです。かわりに細胞の修復・再生が激しく行われています。
 この最も体温の低下しているときにがんになりやすいのかと言えば、否と言わざるを得ません。
 もっとも、この時間帯は免疫細胞が最も活発に活動していますが、がん細胞の活動も活発になっています。
 いずれにせよ、体温が低いから一律にがんになりやすいとは言えないだろうと思います。
 体温を下げる臓器は、腎臓と副腎です。これらの臓器に異常があれば、体温は下がります。
 肝臓や腸なども体温に寄与しているので、これらの臓器に異常があれば体温は多少下がります。
 なお、体温の設定は視床下部で行われています。
 臓器に異常があれば、その臓器の温度は非常に冷えているはずです(冷たい感触があるから分かります)。
 従って、その臓器では免疫力が低下していて、がんになりやすいのではないかと考えられます。
 要するに、体温以前に、各臓器の温度を問題にすべきです。
 また、手で冷たさを感じる能力が無くとも、遠赤外線温度計を使えば、冷たい臓器の温度が測定できるのではないかと思います。

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